EDに悩んでいる男性は、年齢に関係なく存在します。EDを改善したいと思っている人は多いでしょう。
どんな治療が必要なのかを理解して、クリニックへ行き症状を改善していきましょう。
EDには、大きくわけて4つの原因があります。
その4つの原因、症状とどの年齢に多いかを紹介します。
EDの原因 | 多い年齢層 |
心因性ED 心理的、精神的なストレスが原因。 年齢が若くても症状が出る場合がある。 | 20~40代に多い |
器質性ED 動脈硬化や神経の損傷が原因。 肥満や糖尿病、高血圧などの疾患がみられる年代に多い。 | 50~60代に多い |
混合性ED 器質性EDと心因性EDの両方が原因。 高齢なると表れやすく複数の原因により治療が困難な場合がある。 | 40~60代に多い |
薬剤性ED 特定の薬剤の服用で起こるED。 薬剤の使い方など指導を受ける必要がある。 | 年齢関係なし |
上記の4つのED症状を、それぞれ詳しく解説していきましょう。
心因性EDの原因は、精神的、心理的なストレスによるもので、体の機能には問題がないケースが多めです。
男性の勃起は、心と強い結びつきがあるもの。
ストレスや精神的なショックを受けると、脳内の神経伝達物質が減っていき、性的な刺激を伝えることに支障が出てくることがあります。
勃起ができない、中折れしてしまうというED症状は、脳からの伝達がうまくいっていないために起こっているのです。
特徴としては、朝勃ち(夜間勃起)があり、自慰行為は行えるものの性行為ができない場合は、心因性のEDが疑われます。
近年には、20~30代の若年層に多く見られるのが心因性ED。
仕事や人間関係のストレス、性交の経験不足や妊活のプレッシャーなどが、原因になる可能性が高めです。
器質性EDは、神経、血管や内分泌環境など、身体の障害が原因で勃起できなくなるものです。
その器質性EDの中でも、主な原因は3つに分けられます。
器質性EDは、中高年に多く見られる症状のひとつです。
それは加齢による、動脈硬化が原因。
血管の弾力が失われることで起こる動脈硬化が、勃起に必要な血管の収縮を起こしづらくさせているのです。
また、勃起状態の維持力の低下を起こしやすくするのは、加齢による男性ホルモンの低下も関係しています。
生活習慣病は、血管に大きな負担をかけるためED症状を起こしやすくすると考えられています。
高血圧、高脂質異常も原因になりますが、とくに糖尿病は血管だけでなく神経障害を起こすため、もっともEDを起こす可能性が高めです。
過度な禁酒や喫煙も動脈硬化につながるので、ED症状のある人はとくに気をつけましょう。
神経に障害が生じる疾患があるとEDを起こしやすくなります。
脳卒中や毛腫瘍、脊髄損傷、パーキンソン病といったものが挙げられます。
脳からの指令が神経を通って伝達されることで、起こるのが正常な勃起。
神経に障害がある場合は、その伝達が上手くいかなくなるのです。
病気だけでなく、事故やケガ、手術によって神経が損傷したために起こるED症状もあります。
ほかの病気で内服している薬剤が、EDの原因となることも少なくありません。
代表的なもの表にして分けて紹介します。
病気の部位 | 薬の種類 |
中枢神経 | 解熱・消炎鎮痛剤・抗不安薬・抗うつ薬・抗けいれん薬・亢精神病薬・睡眠薬を含む向精神薬 |
末梢神経 | 筋弛緩薬・鎮けい薬・麻酔薬・亢コリン薬 |
循環器系 | 不整脈・利尿剤・降圧剤・血管拡張剤・高脂血症用剤 |
消化器官 | 消化性潰瘍治療薬・鎮けい薬・麻酔薬・亢コリン薬 |
薬には強弱の違いはあっても副作用があるものです。
処方された薬にどんな副作用があるかを調べてみましょう。
EDの原因はひとつと限りません。
特に混合性EDで多いのが、器質性EDと心因性EDが重なった原因です。
だれにでも思い当たるような理由で、ストレスを受けることでどこに症状が出るかも個人差があります。
原因の特定が難しいため、治療に時間がかかります。
EDはどの年齢層にも症状をもった人がいます。
「若いから大丈夫」というわけでも「加齢だから仕方ない」ということでもありません。
ここでは、年齢別に最も起こりやすいED症状を紹介します。
20代男性がEDになるきっかけは、性交の経験の少なさからくる不安や緊張です。
緊張するため、脳からの興奮や刺激といった指令が上手く伝わらず勃起不全を起こします。
また、性交が上手くいかなかったというトラウマ、就職や引っ越しといった環境の変化が原因の場合もあります。
20代男性は他の病気がない限り、ほとんどが心因性EDです。
30代前半は仕事にも慣れ、責任あるポジションにつく年齢です。
そのプレッシャーや精神的な疲労やストレスがEDにつながる場合があります。
また、結婚していればパートナーとの関係性、子供ができないなどのプレッシャーがED症状として表れるのです。
30代前半も心因性EDが多くみられます。
30代後半から増えてくるのが器質性EDです。
働き盛りなのは30代前半と変わりありませんが、身体機能の低下が始まる時期。
この頃から勃起に必要な血管の衰えが始まります。
また生活習慣病の予備軍となるのも世代で、EDがそのシグナルとなっていることもあります。
40~50代男性のEDは身体機能の低下から起こる場合が多めです。
血管の衰えはさらに進み、生活習慣病の症状が出やすい時期。
血管の流れが悪くなると、陰茎に血液が充満しきれずに勃起不全、持続性の低下を起こしやすくなります。
糖尿病や高脂血症などの生活習慣病は、EDに直結する病気です。
不規則な生活や栄養バランスの悪い食事、運動不足に過度な飲酒といった生活習慣を見直しましょう。
EDだけでなく将来の健康不安にも結び付くので注意が必要です。
60代以降になると、男性の生殖機能の低下からEDを起こしやすくなります。
血管の老化や神経機能が鈍ってくる年齢が60代以降。
また薬を飲む機会が増えていくことで、副作用がEDの原因になります。
また、性行為自体が減っていき、自信が持てなくなるのも60代です。
心因性、器質性の混合性EDの確率が高まる年齢だといえます。
EDには、すでに勃起促進薬があります。
改善できない症状ではなくなってきているのです。代表的な薬と効果を紹介します。
バイアグラは、アメリカのファイザー社がED治療薬として世界で初めて製品化したものです。
すでにジェネリック(後発品)も9社から販売されています。
有効成分は「シルデナフィルクエン酸塩」、2022年4月より、勃起不全による男性不妊の場合は保険適用可。
使用法は空腹時、性行為の1時間前に飲むのが理想です。
作用時間は25mgで4時間、50mg5時間。
副作用としては、血管拡張によるほてりや頭痛が報告されています。
レビトラはアスピリンで有名なドイツのバイエル社が製造販売しているED治療薬です。
有効成分は「 塩酸バルデナフィル水和物」で勃起の強さがもっとも強いのが特徴。
安定供給できないことを理由に、2021年から販売停止となっていますが、薬自体に問題はありません。
正規レビトラジェネリックのバルデナフィル錠が代替として処方されています。
使用法は性行為をする1時間前、空腹時に飲めば約20分で効きます。
10mgは4~5時間、20mgは8~10時間作用。
副作用としては顔のほてり、目の充血や鼻づまり、頭痛が報告されています。
シアリスは、国内の日本新薬株式会社が製造販売するED治療薬です。
有効成分は「タダラフィル」で5mg、10mg、20mgの3種類が販売されています。
特徴はバイアグラやレビトラよりも作用時間が長いことです。
20mg投与で最大36時間の有効性が認めれているため、別名「ウィークエンドピル」と呼ばれています。
使用法としては、性行為の1時間前でもっとも効果があるのは3時間前の空腹時。
副作用としては頭痛、消化不良、背部痛が報告されています。
バイアグラやレビトラと較べて、ほてりの副作用は少なめです。
ED治療薬には、併用禁忌薬や併用注意薬があります。
バイアグラ、レビトラ、シアリスそれぞれ違うので、医師に確認しましょう。
▼併用禁忌薬
・硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤
・アミオダロン塩酸塩
・SGC刺激剤
・抗ウイルス薬
・抗真菌薬
・抗不整脈薬等
▼併用注意薬
・チトクロームP450 3A4阻害剤
・チトクロームP450 3A4誘導薬
・降圧剤
・α遮断剤
・カルペリチドなど
心臓や血圧、脳血管に病気のある方は、過度の血圧低下、呼吸不全など命に係わる危険があります。
その他、不整脈や肝炎、緑内障などの持病がある方も、副作用の高いリスクがあるので注意しましょう。
診察の際には、しっかりと服用中の薬や既往歴を伝えることが大切です。
ED治療薬は、薬の効果が切れるまで一時的に副作用はありますが、安全性の高い薬です。
バイアグラやレピトラは軽度な副作用が出やすく、シアリスは比較的発生率が低いとされています。
ただし、薬の副作用は個人差があり、人によって重症化することがあるので注意しましょう。
▼軽度な副作用
・顔のほてり
・多汗
・胸やけ
・動悸
・鼻詰まり等
▼重度な副作用
・4時間を超える持続性勃起症
・突発性難聴
・狭心症
・低血圧症等
頻度や症状によって、危険を感じたらすぐに使用を禁止して医師に相談しましょう。
ED治療薬は、医師の処方箋が必要です。
ネット通販でも買えますが、厚労省の認可が下りていない海外製品で約半数が偽物や粗悪品だといわれています。
安全性が低く、医師の診断を受けないため、現在服用している薬との作用もわかりません。
また健康被害を受けても救済設置を受けることができないなどリスクが高めです。
効果を高めて正しく使用するには医師の指導が必要。
国内未承認薬は服用しないようにしましょう。
EDがまだ軽度であれば、栄養素やサプリを摂ることで症状が改善されることがあります。
食事で摂るのが理想ですが、年齢と共に吸収力は低くなってゆくため、サプリが推奨されるのです。
EDへの効果が期待できる3つのサプリを紹介します。
亜鉛は男性ホルモンの「テストステロン」の分泌を促進させるサプリです。
年齢を重ねていくと、テストステロンは減少していくので、積極的に摂取しましょう。
食べ物であれば、牡蠣やアーモンド、豚レバーに含まれています。
牡蠣は熱するより生がおすすめです。ビタミンCを一緒に摂るとより効果が期待できます。
シトルリンは血流改善効果があり、勃起力をサポートしてくれます。
スイカやメロン、キュウリ、ゴーヤなどウリ科に多く含まれている栄養素です。
疲労回復や冷え性にも効果があるので、積極的に摂取していきましょう。
ビタミンEは血行促進効果があり、ED症状の改善に役立つサプリです。
食材としては、アボカドやアーモンド、ナッツ、ウナギに含まれています。
アボカドはコレステロール低下に効果があるので、生活習慣病予防にも役立つサプリ。
ウナギはビタミンEに加え、アルギニンなど栄養価が高いことから、ED改善に効果が期待できます。
ただ、毎日食べるのは難しいものです。
その足りない分をサプリで補うのが、ED改善だけでなく予防にもつながっていきます。
EDの原因と治療薬やサプリについて紹介してきました。
性行為に直結するEDは、周囲の人にはなかなか話せない悩みです。
ただ、ひとりで悩んでいると、ストレスがかかり、より症状をひどくしてしまいます。
医師の診断を受け、正しい知識と改善法を聞き、ED症状を改善していきましょう。
まずは信頼できる医師のカウンセリングを受けてみましょう。
メンズクリニックディラン(Dylan)では、EDの検査・治療を行っております。
お客様の問い合わせも多く、満足度が高いクリニックです。まずは検査を受診してみてくださいね。
福岡大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院で研修、東京慈恵会医科大学附属病院救急部所属。おうえケアとわクリニック院長。「男性の立場から医療と健康を考える」という視点でメンズクリニックを開業。