肥満外来

BMIが気になる男性は肥満外来へ!治療方法や薬の種類、費用など徹底解説

最近はダイエットも医療に頼る時代。男性でも肥満外来に通う人が増えているのはご存知ですか?

この記事では、男性の肥満外来の治療方法や薬の種類、費用などを徹底解説していきます!

BMIが気になっている男性は、ぜひ参考にしてくださいね。

 

 

通う男性が増えている!肥満外来とは?

最新の調査によると、男性全体の肥満率は 28.6%、 40 歳代(35.9%)が最も多く,次いで 50 歳代(32.4%)の順で、平成 12 年以降の年次推移をみると,男性の 20∼60 歳代では,肥満者の割合の増加傾向がそれ以前の 5 年間に比べ鈍化しています。

体型を気にして管理している人が増えている傾向にあるとも言えるでしょう。そのダイエットの選択肢の一つとして、今肥満外来が注目されています。

最後のダイエットと言われる専門外来

最後のダイエットと言われているダイエットの専門外来は、美容クリニックの治療の一環として行なっているクリニックや、ダイエットのみを専門にしているクリニックがあります。

多くの人が肥満傾向にある昨今、肥満を原因として深刻な健康障害を起こしている人や起こしかねない人が増えています。

また最近は男性の脱毛なども流行っているように、女性だけでなく男性の美意識も高まっている傾向にあり、男性の美容目的のダイエットの専門外来の需要も高まってきています。

肥満外来がおすすめな人

医学的見地から、健康に影響を及ぼすほどの肥満であると診断された場合は、迷わず、肥満外来に行くことをおすすめします。

また、以下の項目で、3つ以上当てはまる人も、まずは医師に相談してみましょう。

・「高血圧」「脂質異常症」「糖尿病」「脂肪肝」などの生活習慣病を指摘されている
・腹囲が男性で85cm以上、女性で90cm以上ある
・お腹が出ているのに、皮下脂肪を少ししかつまむことができない
・BMIが男性で27.8、女性で26.2以上ある
・最近、急激に体重が増えた
・トイレの回数が7回未満もしくは、むくみが気になる
・慢性的な腹部膨満感や便秘がある
・慢性的な睡眠不足である
・お腹がすいていないのに、食べていることがよくある
・過食・嘔吐を繰り返している
・過度のいびきや睡眠時無呼吸症候群の疑いがある

肥満になるとなりやすい病気や弊害

肥満外来

肥満は見た目に影響があるだけでなく、様々な病気の原因になり得る危険な状態です。

高血圧、糖尿病、高脂血症、心筋梗塞、睡眠時無呼吸症候群などにかかる確率が大幅に上がるとされています。

内臓脂肪型肥満は体に多くの悪影響を及ぼし、ひどくなると命の危険が生じる疾患につながる可能性もあります。

内臓脂肪型肥満は、血管に悪影響を及ぼすことから、上記のような重大な疾患につながる確率を上げてしまうとされています。

肥満外来の治療方法

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ここからは肥満外来の治療法の種類について解説していきます。

どんな人におすすめの治療法かそれぞれ解説していきますので、治療方法を迷っている人はぜひ参考にしてください。

薬物療法

薬物療法は、肥満の原因に合わせた、高い効果が期待できる薬を内服して行う治療です。

肥満大国と言われるアメリカなどでは、積極的に活用されている方法で、自制できない食欲を薬の力で抑えるため、比較的ラクに体重を落とすことができます。

空腹の有無にかかわらず口さみしいことが原因で食べ過ぎてしまう人にはおすすめの方法です。

それぞれの体質や状態に合わせた薬がありますので、肥満外来では診断結果に沿って最適なものを提案してくれます。

こんな人におすすめです。

・食欲を我慢できない人
・楽に痩せたい人
・運動が苦手な人
・リバウンドなどが原因で痩せにくい体質になっている人
・手術までは受けたくない人
・すぐに挫折する人

食事療法

食事療法とは、主に食事の摂り方や内容に着目し、改善することで肥満を解消する方法です。ダイエットといえば食事療法をイメージする人が多い、最も一般的な治療法といえるでしょう。

肥満外来での食事療法は、自己流ダイエットとは違います。

正しい知識をもとに、それぞれに適したカロリーや栄養バランスに注意した治療が行えるため、肥満解消だけでなく治療後の生活を健康的に過ごすことができるようになります。

こんな人におすすめです。

・ダイエットに失敗してリバウンドを繰り返している人
・自分で食事を制限できない人
・忙しくて運動をする暇がない人
・甘いものや脂っこいものが好きな人
・糖尿病などの病気で食事制限が必要な人
・関節炎や合併症などで運動が制限されている人
・高齢の人

運動療法

日常生活に運動を取り入れることで脂肪の燃焼を促し、基礎代謝を上げる方法で、こちらも一般的に広く行われいてる方法です。食事療法と組み合わせることでさらに高い効果が期待できます。

激しい運動は必要なく、有酸素運動などの軽い運動を続ける方がより効果があるとされています。

運動はストレスの解消にもつながるため、ストレスによる過食の防止も期待できる上に、運動によって筋肉がつき、基礎代謝が上がるとリバウンドしにくく、太りにくい体質に変わると言われています。

自分だけで続けることは簡単ではありませんが、プロの力を借りることで、効率よく運動療法で減量することが可能です。

こんな人におすすめです。

 ・食事だけではなかなか痩せない人
・ダイエットに失敗してリバウンドを繰り返している人
・ストレスによる過食がある人
・脂っぽいものなどが好きな人

外科手術

外科手術で行われる手術内容は、脂肪を直接的に取り除く手術や、胃の活動を抑制・栄養の吸収を抑制する目的の手術による治療です。

アメリカでは積極的に行われており、現段階では最も確実に痩せることができる方法とされています。

ただし、術後の相当な痛みや、切除した部分は元に戻せない傷跡が残ってしまうなどのデメリットもあります。

他の治療法を試してみても十分な効果が得られなかった人や、命に危険がありいますぐ手術が必要、という人は検討してみてください。

こんな人におすすめです。

 ・医師に体重を減らすことを厳命されている人
・短期間で痩せたい人
・確実な効果を望んでいる人
・半永久的に効果を持続したい人
・重度の肥満の人

メンタルサポート

ダイエットはこれまでと生活リズムが変わるためストレスがつきものです。

精神的なストレスを緩和することを目的として、カウンセリングやアドバイスなどの精神的なサポートを行うサポートをしているクリニックも多いです。

肥満はストレスと大きく関係しています。ダイエットする場合もそうですが、そもそも肥満になることも、肥満解消の失敗も、ストレスが原因と言われています。

肥満外来のメンタルケアは、こうしたメンタルの問題を解決する専門家が、患者の心のケアをしながら日常生活に隠れている様々な問題を見つけ出し、肥満を解決する適切なアドバイスをしてくれます。

こんな人におすすめです。

・すぐに挫折する人または長続きしない人
・何が原因で太ったのか(痩せないのか)わからない人
・孤独感を感じやすい人
・リバウンドを繰り返している人

肥満外来は保険適用される?

肥満外来は保険適用の場合とそうでない場合があります。

肥満で健康に影響があるとされる
高血圧・脂質異常症・2型糖尿病のいずれか
食事療法・運動療法を行っても十分な効果が得られなかった
BMIが27kg/m2以上で2つ以上の肥満に関連する健康障害を有するまたはBMIが35kg/m2以上の患者

これらに当てはまる人には、保険が適用されることがほとんどです。

健康体重でありながら、ダイエット目的で使用する場合は保険適用外になります。

肥満外来で使われる薬の種類と費用

肥満の治療に用いられる薬は様々で、実際に使用する薬やかかる費用は患者の状態によって異なります。

ここからは主に治療に使われている薬の種類と、その費用について紹介します。

GLP-1受容体作動薬

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GLP-1受容体作動薬とは、インスリン(血糖を一定の範囲に収める作用があるホルモン)の分泌を促し、血糖値を下げる効果を持つ薬です。薬のタイプには飲み薬や注射薬があります。

GLP-1受容体作動薬は血糖値を下げる作用のほか、食べ物が胃から排泄されるのを遅らせる、食欲を抑えるなど働きもあります。体重を減らしたり体脂肪をつきにくくしたりする効果もあるとされています。

SGLT2阻害薬

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SGLT2阻害薬とは、グルコース(ブドウ糖)の再吸収を抑制して尿中に排泄させ、血糖値を下げる作用がある薬です。

SGLT2阻害薬を投与すると、食事で糖質制限をしているような状態になるため、体重減少につながるとされています。

漢方薬

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漢方で主に持ちられているのは、防風通聖散」「大柴胡湯」「防已黄耆湯の3つです。

防風通聖散は、肥満症によく使われる代表的な漢方薬です。

食欲を抑え、便秘を解消し代謝を上げ、脂肪燃焼効果が表れます。また排便を促進するので便秘を改善します。

さらには余計な水分を排出して、水分バランスを整える働き(利水作用)があるため、むくみを解消します。

大柴胡湯は、おもに男性の肥満に用いられ、元来筋肉質の人が、ストレスで飲食過多となり腹が出て固太りや内臓脂肪が多い肥満に用いられます。旺盛な食欲を抑えます

防已黄耆湯は、おもに筋肉量の少ない女性に用いられ、体を温めて消化管の働きを促進させ、水分代謝をよくします。水太りタイプの方やむくみのある方に効果的です。

食欲抑制剤

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食欲抑制剤の中でも代表的なのは、サノレックス(sanorex)です。

これは、食欲を抑える作用があります。錠剤タイプの薬で病院で診察を受けて処方されるものです。服用することで代謝も上がることが報告されています。

ビグアナイド系

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ビグアナイド系の薬は、血糖コントロールを改善し、体重を増やしにくくする飲み薬です。

肥満の人によく使われますが、肥満のない人でも効果があります。ほかの薬と併用しなければ、低血糖を起こす危険性が低いことも特徴です。

消化管からの糖の吸収を抑えたり、筋肉などでのインスリンの働きを強めることによっても血糖を下げる効果があります。

名前特徴費用相場
メトグルコ肥満体型や脂肪肝の人に良く効く1日当たり約40円
ジベトス血糖値を下げる、糖尿病治療にも1日当たり約30円

膵リパーゼ阻害薬

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膵リパーゼ阻害薬は、ついつい食べてしまう過食傾向のある人に向いている薬です。

中性脂肪は大きな分子で、膵リパーゼという脂肪分解酵素によって細分化されて初めて体内に吸収されます。

その膵リパーゼを阻害することによって、食事に含まれる脂肪の分解を抑え、体内に吸収できなくすることで、カロリー摂取を抑えることが可能です。

肥満外来の効果を上げるポイント

ここからは実際に治療を受ける上で、効果を上げることのできるポイントを解説していきます!

せっかく治療を受けるならしっかり効果を実感したい!というひとはぜひ参考にしてください。

治療のゴールを決める

だらだらと治療せず、ゴールを決めて治療し、目標値まで減量出来たら治療を止める、というやり方がおすすめです。

目標体重があればそれに向けて治療計画を立てることができるし、治療にストレスを感じることも少なくなります。

睡眠時間を確保する

睡眠時間は1日6時間以上確保することが重要です。

睡眠不足により食欲抑制ホルモンのレプチンが減少し、食欲増進ホルモンのグレリンが増加する結果、食欲が増えると言われています。

また寝不足の翌日はパフォーマンスが落ちるため、エネルギー産生も低下し、カロリーを消費できなくなってしまい、治療の効果が出にくくなってしまいます。

一気に痩せようとしない

理想としては、1か月1~2kg程度のペースで十分です。結局、我慢したり、頑張ってダイエットしても、いつか頑張らなくなればリバウンドしてしまいます。

そうならないために薬の作用を使いながら、リラックスしてストレスなくゆっくり減量していくことが、リバウドしにくい体質づくりのために重要なポイントです。

無理に痩せようとせず、無理のないペースで続けることが大切です。

食生活を見直す

薬や漢方の力を借りても、食生活が乱れたままでは効果の実感もしづらくなります

まずは栄養バランスの良い食事を心がけましょう。肉類や揚げ物などの高カロリーメニューを避け、お菓子などの間食を減らしましょう。

エネルギーを摂りすぎないことが大切です。また、ながら食べやダラダラ食べ続けるのをやめて、1日3食一定の量を規則正しくとってください。

間食は毎日の習慣にせず、どうしても食べたい時は朝食後か昼食後であればストレスがたまらない程度にとりましょう。添加物や人工甘味料の入ったお菓子は避けるのがおすすめです。

肥満外来の施術の流れ

ここからは肥満外来に訪れた際の、実際の施術の流れについて解説します。

これから肥満外来を受ける予定の人は、ぜひ参考にしてください。

初診・検査

初診の予約を入れ、当日クリニックに到着したら、まずは問診票に記入し、病院受診に至るまでの経緯、合併症などを外来で聞き取りを受けます。

その後、血液検査を行い、自分にあった治療法を相談して決めていきます。

肥満治療

薬の種類や治療方針が決まったら、療養指導を行います。

日常生活の見直しが効果を上げるために必要なので、食事の見直し、運動を取り入れながら、薬を服用して頂きます。

家でも毎日体重測定をすることで、治療計画の目安とします。

再診

初診の際に受けた血液検査の結果説明を行い、体重変化の確認、漢方薬の調整などを行います。

定期的に血液検査を行い、薬による副作用の有無と肝腎機能を評価します。

血液検査で状態を知ることで、その時の自分にあった治療を受けることができます。

肥満外来のよくある質問

ここからは肥満外来のよくあるQ&Aを見ていきましょう。施術に行く前に疑問点がある人は、ぜひ参考にしてください。

何キロから受診できる?

肥満外来を受診する目安は、体重ではなくBMIが重視されます

BMIが30以上の肥満で悩んでいる方やメタボリックシンドロームと指摘された方など様々です。ほかにも肥満が原因でいびきや膝の痛みに悩んでいる人も受診していることもあります。

肥満外来は肥満のレベルについては関係ないため、悩んでいる方は一度クリニックへ相談するのがおすすめです。

上記以外の健康体重や標準体重の人でも通うことはできますが、保険適用にならない場合がほとんどです。

他の病気で通院中でも受診できる?

疾患によって異なりますが、まずはクリニックへ相談するのがおすすめです。

糖尿病や高血圧、睡眠時無呼吸症候群などの肥満を起因とする疾患の場合は、保険適用になる可能性があります。

上記のような疾患をお持ちで薬を服用している場合は、お薬手帳を持参してクリニックを受診しましょう。

いつまで治療を続けたらいい?

特に保険適用で、治療目的の人は医師と相談して健康的な生活ができる体重とBMIを目標にして、達成できるまで続けるのが良いでしょう。

ダイエット目的の人は、自分の理想体重を伝え、健康に害のない範囲で目標達成を目指しましょう。

治療方法を途中で変更できる?

はじめに提案された薬が合わなかった場合や、効果を感じなかった場合は、もちろん途中で変更することも可能です。

別の病気の治療などを受けている場合は、併用できる治療なのか医師に確認しましょう。

肥満は万病のもと!気になる人は肥満外来も検討しましょう

いかがでしたでしょうか。

肥満は見た目の問題だけではなく、万病の元と言われ、場合によっては命に危険を及ぼす可能性のある病気です。

どなたでも受けることのできる肥満外来ですが、特にBMI数値の高い方や血糖値が高い方は、自己治療だけでなく、プロの力を借りてしっかり治療することをおすすめします。

これを機にぜひ、肥満外来を検討してみてください。

  • 監修者
    監修医師
    麻植 一孝
    院長

    福岡大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院で研修、東京慈恵会医科大学附属病院救急部所属。おうえケアとわクリニック院長。「男性の立場から医療と健康を考える」という視点でメンズクリニックを開業。