AGA治療薬として一般的に使われているのが、フィナステリド（プロペシア）です。
本記事ではフィナステリド（プロペシア）の服用で期待できる効果の他、副作用のリスク、購入方法などをまとめました。
副作用が発現する可能性がある薬のため、医師の指導のもと正しく服用することが大切です。
用法・用量を守って飲めば、抜け毛を抑制する効果が期待できます。
福岡大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院で研修、東京慈恵会医科大学附属病院救急部所属。おうえケアとわクリニック院長。「男性の立場から医療と健康を考える」という視点でメンズクリニックを開業。
目次
フィナステリドは、乱れた髪の毛のサイクルを正常に戻すことを目的としているAGA治療薬のひとつです。
アメリカ医薬品管理局・FDAも認可している薬剤で、AGAの治療目的のために世界中で利用されています。
フィナステリドを含むAGA治療薬のひとつとして有名なのは、メルク社が開発した「プロペシア」です。
特許権存続期間満了後である2015年からは「プロペシア」のジェネリック薬品も広くリリースされており、今では「フィナステリド錠」が日本では多く取り扱われています。
しかしプロペシアやフィナステリド錠以外にも、フィナステリドが含まれる薬品は多いですよ。
フィナステリド（プロペシア）は、Ⅱ型5αリダクターゼを阻害する働きがあります。
AGA発症の原因のひとつとしてあげられるのが、男性ホルモンの一種・テストステロンがⅡ型5αリダクターゼによりジヒドロテストステロン（DHT）になること。
ジヒドロテストステロン（DHT）が髪の毛を生成する細胞である毛乳頭に存在する受容体・アンドロゲンレセプターに取り込まれると髪の毛のサイクルが乱れます。
Ⅱ型5αリダクターゼの働きを阻害しジヒドロテストステロン（DHT）の生成を抑制することで、ヘアサイクルの成長期が正常になることが期待できます。
乱れたヘアサイクルのリセット後3～4ヶ月の休止期間を経て新しい髪の毛が生え始めるため、実感まで最低でも4～6ヶ月ほどかかります。
服用を始めて1ヶ月では目に見えた変化は得られません。
6ヶ月～1年服用し続けることで、髪の毛が太くなるなど目に見えた変化を期待できます。
しかし進行型の脱毛症のため、服用をやめるとまた薄毛が目立つでしょう。
フィナステリド（プロペシア）も他の薬と同じように、副作用が発現する可能性があります。
フィナステリド（プロペシア）の副作用としてあげられるのは、大きく分けて「性機能障害」「抑うつ症状」「肝機能障害」の3つです。
服用中に違和感を覚えた場合は、医師に相談しましょう。
ただし「性機能障害」に関しては、臨床試験においては発現率が低く発症機序(発生における因果関係)も明らかではないためリスクは低いとされています。
性機能障害とは、精液減少、性欲減退、射精障害、勃起機能障害（ED）など性欲に関する障害です。
フィナステリドが男性ホルモンに作用する効果があることが要因であると考えられています。
臨床試験においては、実際に服用した群とプラセボ(偽薬服用)患者群と比較しても発生率に有意な差は見られませんでした。つまりリスクは低いですが発現する可能性は0ではありません。
気分が落ち込んだり、思ったように身体を動かせなかったりする抑うつ症状が副作用として発現するとの報告があります。
しかし可能性は非常に低く、希な副作用です。
抑うつ症状に関しても、フィナステリドが男性ホルモンを抑制する効果があることが要因の一つと考えられています。
肝臓が炎症を起こすなど、肝機能障害の副作用が発現するケースがあります。
肝臓で代謝される薬であるためです。
しかし肝機能障害に関しては、どの薬を服用しても同じリスクがあるといえるでしょう。定期的な血液検査で、肝機能を調べる事が大切です。
AGA治療薬であるフィナステリドを服用し始めてから1～3ヶ月ほどは、一時的に抜け毛が目立つ時期です。
AGA進行の原因と言われているホルモンのひとつ、ジヒドロテストステロン（DHT）は、ヘアサイクルの成長期を短くし産毛など柔らかい毛を生やす働きを持っています。
ジヒドロテストステロン（DHT）の生成が抑制され、ヘアサイクルを整える段階で柔らかい毛が目に見えて抜けていくでしょう。
副作用ではありません。AGAが悪化したと思うかもしれませんが、AGA治療が進んでいるサインです。
フィナステリド（プロペシア）の、正しい服用の仕方を紹介します。
実際に処方された際に正しい飲み方を指導されるはずなので、その場合は主治医の指示に従いましょう。
成人男性の場合は、1日1回フィナステリド0.2mgを水かぬるま湯で服用します。
24時間間隔での服用を推奨されているため、毎日なるべく同じ時間に飲むようにしてください。
一定間隔のリマインダーの設定をすることがおすすめです。
必要に応じて1日1mgまで増やせますが、自己判断は推奨しません。主治医の指示のもと行いましょう。
アルコールを摂取すると作用増強され副作用が強く出ることがあるため、飲酒は一定期間空けてからにしましょう。
ただし食べ物に関しては、特に禁止されている事項はありません。
例えば有名な話でいえば、降圧剤の代表とも言えるカルシウム拮抗薬とグレープジュースを一緒に飲むと効きすぎるなどがありますね。
フィナステリドと食べ物に関しては、2023年現在特に報告がありません。
フィナステリドを摂取する量によって治療効果が高まることはほぼありません。
高い効果を求めて過剰摂取することは逆効果であり、悪影響を及ぼす可能性も出てきます。
用法・用量はきちんと守り、医師に指導された通りに服用してください。
AGA治療薬であるフィナステリドは未成年の男性と女性は使用できません。
成人男性を対象とした薬であり、2023年現在は女性が服用する場合の安全性は確認できていないのが現状です。
特に妊娠中の場合は、胎児や母体に悪影響を及ぼす可能性があります。妊活中の男性も、同じような理由から摂取は控えたほうが良いといえます。
もし副作用と思われる症状が発現した場合は、すぐさま服用を中止し医師に相談しましょう。
先ほど紹介した3つの副作用のほか、皮膚の異常、浮腫、腫れ、乳房の痛みなどが生じた場合も服用をやめてください。
フィナステリド以外にも薬はあり、内服薬治療以外にも方法はあります。服用をやめることは勇気が必要ですが、安全のためにすぐ中止しましょう。
早い内に医師に相談し、新しい方法を提案してもらいましょう。
フィナステリド（プロペシア）の効果を実感できない場合の原因をまとめました。
実感できない理由を知り、自分の症状と当てはめることで、新しい発見があるかもしれません。
男性の薄毛や脱毛の症状が進行する理由として、最も可能性が考えられるのはAGAです。
しかし薄毛や脱毛には、円形脱毛症、抜毛症(トリコチロマニア)など他の病気の可能性も考えられます。
また頭ホルモン異常、栄養障害、皮膚トラブルの可能性も考えられるでしょう。
このような場合、Ⅱ型5αリダクターゼに働きかけるフィナステリドは効果が期待できません。
初期脱毛は服用から1ヶ月くらいで起こる、抜け毛の時期のこと。服用し始めてから髪の毛が抜けるため、「AGAが悪化した」と不安に思う人は少なくありません。
効果がないわけではなく、効果があるからこそ抜けはじめています。
服用してまだ1ヶ月程度であれば、半年ほどは飲んでみることがおすすめです。
自分の症状に合ったAGA治療方法を選択する必要があり、フェナステリドがあなたに合っていない可能性が考えられます。
AGAの進行度に合った治療をしなければ、効果は薄くなるでしょう。
外用薬治療と並行して内服治療を行うなど、新しい方法にシフトすることがおすすめです。医師に相談しましょう。
フィナステリドと他のAGA治療薬の違いをまとめました。
自分に合っているかを判断する材料になるでしょう。
メルク社のプロペシアと、プロペシアのジェネリック薬品の効果に違いはありません。
ともにAGA治療薬のひとつであり、有効成分は同じで同様の効果・効能を得られますよ。
ただし見た目に関しては、多少違いがあります。処方されたものであれば、プロペシアジェネリックもプロペシアも安心して服用できるでしょう。
Ⅱ型5αリダクターゼを抑制するフィナステリドとは違い、ミノキシジルは発毛を促す働きがあります。
ミノキシジルはヘアサイクルにおける成長期を増やしたり、休止期間を短くしたりする効果が見込めます。フィナステリドもミノキシジルも、どちらもAGA治療薬のひとつです。
現代においては、外用薬（ミノキシジル）と内服薬（フィナステリド）を併用するも一般で使われています。
フィナステリドもデュタステリド（ザガーロ）も、どちらもⅡ型5αリダクターゼを抑制する効果があります。
しかしフィナステリドよりもデュタステリドのほうが、Ⅱ型5αリダクターゼを抑制する効果が3倍高く、さらに発毛を促す効果は1.6倍高いと報告があります。
しかし副作用に関しては、フィナステリドのほうが大きな副作用が見られません。
価格もフィナステリドのほうが安価です。
フィナステリド（プロペシア）の入手方法をまとめました。
おすすめしない入手方法もあります。ひとつひとつ見ていきましょう。
フィナステリド（プロペシア）には副作用があるため、医師の指導のもと服用していく必要があります。
必ず医療期間で処方を受けるようにしましょう。ドラッグストアなど市販されていることはありません。
AGAを取り扱う皮膚科、美容クリニック、AGA専門クリニックで買うことができます。
受診する時間がない場合は、オンライン診療もひとつの手です。問診から薬の受け取りまで、医療期間に足を運ばずに完結します。
しかしカメラ越しに頭皮をみることになるうえに、精密な検査はできません。初診はきっちりと対面診察で行うことがおすすめです。
その後は、オンライン診療での処方に切り替えましょう。
フィナステリドは個人輸入をメインとするインターネット通販で購入可能です。
しかし偽物が多数あり、健康被害などのリスクも高くなります。
クリニックに足を運ぶのが難しい、恥ずかしいなどさまざまな理由で検討する人もいますが、絶対にやめてください。
万が一重篤な副作用が発現したとき、国の制度である医薬品副作用被害救済制度も適用されません。
| 料金の相場(1ヶ月※28錠) | |
| プロペシア | 8,000～10,000円 |
| フィナステリド錠 | 3,000～5,000円 |
プロペシア、フィナステリド錠は日本で認可されているAGA治療薬です。
価格相場は上の表の通り。クリニックにより価格設定が違うため、きちんと近場のクリニックを調べることが大切になります。
また薬設定が安くても、他の価格が高く設定されていることも。相場を参考にして、総合的に比較しましょう。
フィナステリド（プロペシア）は保険適用ができません。
なぜなら命に関わる症状ではないからです。薄毛や脱毛により健康に直接的な害が及ぶことはないため、自費での治療となります。
ただし炎症を起こしている場合などは、その炎症を治療する部分だけに保険が適用されます。
例えば円形脱毛症、脂漏性皮膚炎、接触性皮膚炎などです。
AGA治療薬として使われるフィナステリドはⅡ型5αリダクターゼを阻害する効果がありますが、他の薬と同じように副作用もあります。
医師の指導のもと服用する必要がある薬のひとつです。自己判断で過剰摂取したり、個人輸入のネットショッピングで購入したものを服用したりするのはリスクが高いためやめましょう。
効果が見られない場合は、AGAではない可能性や、症状にあっていない可能性があります。
医師に相談し、新しい方法を提案してもらいましょう。
まずは信頼できる医師のカウンセリングを受けてみましょう。
メンズクリニックディラン(Dylan)では、AGAの検査・治療を行っております。
お客様の問い合わせも多く、満足度が高いクリニックです。まずは検査を受診してみてくださいね。
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