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尖圭(せんけい)コンジローマの男性の症状や原因・治療法を医師が解説

尖圭コンジローマに男性がかかった場合の症状や原因、治療法を医師が解説します。

性病科や泌尿器科というのは、内科にかかるのとは違ってハードルが高いでしょう。

それが性感染症を重症化させてしまう原因にもなっています。

だれでもなる可能性がある性感染症。

初期症状であれば治癒も可能なので、早めにクリニックで医師に診てもらいましょう。

 

 

尖圭(せんけい)コンジローマとは

尖圭(せんけい)コンジローマとは

尖圭コンジローマとは、性器周辺に「イボ」ができる感染症。

症状が見えるため、他人に気づかれる可能性が高く、そのうえ再発する人も多い病気です。

国内でも、感染者は増加傾向にあります。

尖圭コンジローマの症状

尖圭コンジローマに男性が感染すると「イボ」ができるという特徴があります。

尖圭コンジローマにかかってイボができる部位

・亀頭の先端

・陰嚢

・尿道

・肛門周辺

・肛門内

オーラルセックスでの感染の場合は、口腔内や唇にイボができることもあります。

感染初期にはイボ自体にかゆみや痛みはありません。

進行するとイボの形状に変化が現れ大きくなりにつれて、出血や痛み、かゆみを伴うこともあります。

尖圭コンジローマと間違われる病気が多数

尖圭コンジローマはほかの病気と間違われることが多くあります。

だからこそ医師の正しい診断が必要なのです。

ここでは尖圭コンジローマのセルフチェックと間違われる病気を解説していきます。

尖圭コンジローマとよく間違われる病気

間違われる病気には、以下のものがあります。

尖圭コンジローマと間違われる病気

・扁平コンジローマ(梅毒感染後にバラ疹の次に現れる症状)

・ボーエン様丘疹症(扁平隆起性小腫瘍が多発する病気)

・伝染性軟属腫(伝染性軟属腫ウイルスの感染による水イボ)

・フォアダイス状態(陰茎に1ミリほどの白い小結節がたくさんできる)

・陰茎真珠様小丘疹(陰茎の冠状溝に沿って1ミリ前後の小結節が多発する)

尖圭コンジローマと間違われやすいのが、この5つの病気です。

このうち「フォアダイス状態」と「陰茎真珠様小丘疹」はとくに治療の必要がありません。

もしかすると…と思いがちですが、正しい診断によって治療を受けなくてもいいとわかることもあります。

コンジローマのセルフチェック

尖圭コンジローマにはイボの形、できる部位に特徴があります。

尖圭コンジローマの特徴

尖圭コンジローマの特徴
イボの形状
  • ・乳首のように先がとがっている
  • ・鶏のトサカのような形
  • ・カリフラワー状になっている
イボの痛み
  • ・イボに痛みはない
  • ・イボにかゆみはない
イボのできる部位
  • ・性器とその周辺
  • ・肛門とその周辺
イボの数
  • ・小さなイボが増えていく
尖圭コンジローマのイボの色
  • ・白
  • ・ピンク
  • ・黒
  • ・褐色

これらの特徴に当てはまる場合は、尖圭コンジローマに感染している可能性があります。

早めに医師の診察を受けるようにしましょう。

尖圭コンジローマの原因・感染経路

尖圭コンジローマは、陰部にHPVが感染することで発症します。

HPVは200種類ありますが、陰部に感染するのは40種類です。

尖圭コンジローマにはローリスクとハイリスクの2つにわかれます。

とくにハイリスクはガン化するリスクがあるので注意が必要です。

必然的にローリスクとハイリスクでは治療法も変わってきます。

ローリスク型

尖圭コンジローマの感染者のうち、90%以上がローリスクの6型、11型のHPV感染

その多くは良性です。

ただしっかり調べないと、ハイリスク型の場合もあるので、的確な検査と診断が必要になります。

ハイリスク型

ハイリスク型は陰茎ガンや肛門ガン、中咽頭ガンの原因となるので注意が必要です。

感染の型は16型、18型、31型、33型、45型、52型、58型にわかれています。

ハイリスク型の場合は、早期発見と治療が重要です。

進行する前に医師に診察してもらいましょう。

尖圭コンジローマの潜伏期間

尖圭コンジローマの特徴のひとつとして挙げられるのが、潜伏期間の長さです。

およそ3週間~8カ月と幅もあります。

主な感染経路は性行為ですが、どこで感染したのかわからないことも珍しくありません。

尖圭コンジローマの検査方法

尖圭コンジローマの検査方法

尖圭コンジローマは特徴的なイボの形をしているので、視診による診断も行います。

そのうえで、尖圭コンジローマが疑われる場合は、綿棒で患部の組織を取る皮膚拭い検査で確認します。

綿棒は柔らかいので検査で痛みを感じることはありません。

尖圭コンジローマの治療法

尖圭コンジローマの治療法

尖圭コンジローマには薬と外科的なアプローチのふたつの治療法があります。

薬による治療

尖圭コンジローマの治療には、世界どこでも使われている軟膏を使用します。

2007年12月に保険診療で使用できる薬として販売が開始されたものです。

医療機関で処方箋をもらい、自身でイボとその周辺に塗布していきます。

これによりウイルスの増殖を抑えていくのです。

イボがなくなるまで個人差はありますが、一般的には16週間を目安としています。

外科的な治療

尖圭コンジローマには、外科的な治療もあります。

尖圭コンジローマの外科的治療

外科治療法治療内容費用相場リスク 副作用
凍結療法-196度の液体窒素でイボを除去
痛みや冷たさを感じるものの麻酔なしで可能
5,000〜20,000円程度治療部位の痛み、腫れ、赤み、色素沈着など
電気焼灼イボ周辺に麻酔をして電気メスで切除10,000〜30,000円程度痛み、腫れ、瘢痕(傷跡)の形成
炭酸ガスレーザー蒸散イボ周辺に麻酔をしてレーザー光線で除去30,000〜50,000円程度痛み、赤み、瘢痕(傷跡)の形成、色素沈着
外科的切除イボ周辺に麻酔をして専用器具で切除50,000〜100,000円程度痛み、腫れ、瘢痕(傷跡)の形成

いずれも日帰り手術が可能です。ただしイボを除去してもウイルスが残っている場合があります。再発を繰り返さないように完治するまで治療を受けることが大切です。尖圭コンジローマは再発する?尖圭コンジローマは再発しやすい病気です。外用薬のみの治療の場合、20~30%の再発の可能性があります。

再発率を下げるためには、外用薬と液体窒素による治療を根気よく行い、医師に完治といわれるまで通うことが大切です。パートナーがいる場合は、感染している可能性が考えられるため、一緒に診断、検査を受けた方がいいでしょう。尖圭コンジローマを放置するとどうなるか?尖圭コンジローマを放置するとどうなるか?尖圭コンジローマを放置した場合はどのようなことになるのでしょうか。放置するリスクとともに解説します。自然治癒する?尖圭コンジローマは9割以上が良性の腫瘍です。さらにその3割の人は3カ月程度で消えます。ただし症状は消えてもウイルスは残留している場合もあります。体内に残っている場合は、尖圭コンジローマの感染者の1割に当たる悪性へ変異する可能性も考えなければなりません。ガン化する可能性を下げるためにも、自己診断をせずに医師の診察を受けるようにしましょう。尖圭コンジローマを放置するリスク尖圭コンジローマを放置するリスクとしてまず挙げられるのが感染範囲の広がりです。軽症のうちは尖圭コンジローマが命にかかわることはありませんが、自分は大丈夫でもパートナーのもとで悪性に変異する可能性があります。また妊娠中のパートナーの場合、新生児への影響がある恐れも考えておかなければなりません。尖圭コンジローマの予防方法尖圭コンジローマの予防方法尖圭コンジローマを予防するには、どのような方法があるのでしょう。コンドームの使用尖圭コンジローマの感染予防には、コンドームの使用が効果的です。ウイルスは皮膚や粘膜、小さな傷から侵入感染します。性行為の際には、必ずコンドームを使用しましょう。例え使用しても完全に防げるものではありません。ワクチンの接種尖圭コンジローマの感染を予防するためにワクチンを接種する方法もあります。女性の子宮頸がんを予防するために使われるHPVワクチンは、尖圭コンジローマにも有効。もちろん男性がワクチンを接種することも可能です。自身だけでなく、パートナーを守るためにもHPVワクチンの接種を考えてみましょう。治療後はいつから性行為できるか尖圭コンジローマの外科的治療を受けた場合は、皮膚のダメージも考え1カ月はセックスを控えましょう。また、尖圭コンジローマは完治の判断が難しいうえに、再発の可能性が高い病気です。イボが消えても、最低3カ月はセックスを控えた方がいいでしょう。まとめ尖圭コンジローマの症状や原因、治療法を解説してきましたがいかがでしたでしょうか。ほとんどが良性の尖圭コンジローマですが、約1割は悪性でガン化するものもあります。自然に症状が消えても、ウイルスはまだ体のなかに潜んでいます。正しい検査や治療を受けて、粘り強く完治へ向けて進んでいきましょう。ワクチン接種などの手段も有効です。
信頼できる医師の施術で、コンジローマに悩んでいる男性はまずカウンセリングを受けてみましょう。メンズクリニックディラン(Dylan)では、性病の検査・治療を行っております。お客様の問い合わせも多く、満足度が高いクリニックです。まずは検査を受診してみてくださいね。ディランに予約する電話番号はこちら

  • 監修者
    監修医師
    麻植 一孝
    院長

    福岡大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院で研修、東京慈恵会医科大学附属病院救急部所属。おうえケアとわクリニック院長。「男性の立場から医療と健康を考える」という視点でメンズクリニックを開業。