AGAとは脱毛症のひとつで、男性が発症しやすい進行性の疾患です。
AGAとはどんな症状なのか、どのように進行するのか、5年後どうなっているのか、女性もなるのか、自分の将来にも関わるのできちんと知識をつけておきたいでしょう。
本記事ではAGAの基本的な情報の他、進行パターン、治療方法、費用についてまとめました。
自己診断チェックシートもあるので、最後まで読めば今後すべき行動がしっかりと分かるでしょう。
目次
AGAとは「Androgenetic Alopecia」の略称であり、日本では男性型脱毛症と呼ばれています。
主な症状としてあげられるのは、前頭部と頭頂部の毛がだんだんと薄くなり産毛になる、生え際の後退が進み頭頂部に毛がなくなることなどです。
髪の毛がなくなる要因に大きく関与しているのは、男性ホルモンであるテストステロン。
テストステロンが頭皮に存在する酵素・5αリダクターゼと結合し、髪の毛の成長を妨げる要因となるジヒドロテストステロン(DHT)を生成します。このホルモンが髪の毛の生成に必要な栄養を受け取る毛母細胞の分裂が抑制し、結果髪の毛が後退したり産毛になったりします。
早期に治療を始めることで進行を抑制できるため、早めに医療期間を受診することが大切です。
AGAがどのように進行していくのか、どれくらいの期間にどれほど脱毛が進むのかについて紹介します。
AGAが疑われる場合は、今の髪の毛の状態と比較し、判断してみましょう。
I型 | 額周辺の生え際が少し後退している状態 自覚もないケースが多く、他人からも気づかれにくい。 |
Ⅱ型 | I型が進行し、額周辺の生え際がM字になってくる状態 Ⅰ型よりも自覚しやすい |
Ⅱ Vertex型 | 上記のII型にくわえて、頭頂部も丸い形でやや薄毛になり始める |
Ⅲ型 | II型がより進行し、クッキリとしたM字となり、髪の毛全体のボリュームが落ちる |
Ⅲ Vertex型 | 上記のⅢ型にくわえて、頭頂部の丸形の薄毛が目立ち頭皮の肌色が気になり始める |
Ⅳ型 | 生え際がより後退し、頭頂部はO字型の薄毛になる |
Ⅴ型 | Ⅳ型がより進行し、生え際が頭頂部付近まで達している状態 頭頂部部のO字型の薄毛の範囲も広くなる |
Ⅵ型 | Ⅳ型がより進行し、生え際が頭頂部とくっついている状態 残りの髪の毛は、側頭部と後頭部にしかない |
Ⅶ型 | Ⅵ型にくわえて、側頭部の薄毛化も進み始めている状態 後頭部も頭頂部に近い方は薄くなっていく |
AGAの進行パターンは大きく分けて9つあります。上記の形で進行していきます。
約5平方センチメートル(直径1インチの円)の中に生えている髪の毛は、平均して750本ほど。
ひとつの例ですが、AGA発症後3年で残りの髪の毛が90%ほどになり、4年後には70%ほど、5年後には60%ほどになります。
このようにAGAは徐々に毛量がなくなっていき、5年間で多くの髪の毛が失われます。
1~2年目は比較的緩やかに進行していきますが、何も対処しなければ3年目あたりを境に一気に脱毛が進むでしょう。
AGAは生活要因、環境要因、遺伝要因、身体要因などさまざまなものが複雑に絡まって発症します。
AGAがなぜ発症するのか、その原因について考えられるものをまとめました。
テストステロンが頭皮にある5αリダクターゼと結合しジヒドロテストステロン(DHT)が生成されると、髪の成長期が短くなりAGAへと繋がります。
髪の毛のサイクルは、主に3つの過程でできていると言われています。
髪の毛が伸びる成長期、髪の毛が抜ける退行期、髪の毛が生える休止期です。
このうち髪の毛が伸びる成長期が短くなると、髪の毛が充分に育ちきる前に抜けるため薄毛に繋がっていきます。
5αリダクターゼが頭皮にたくさん存在しているかどうか、脱毛因子に関連するアンドロゲンレセプターの感受性は高いかなど、遺伝によっても左右されます。
例えば5αリダクターゼの活性度が高いと頭皮にたくさん存在するため、テストステロンと結合しやすくなります。
またアンドロゲンレセプターと呼ばれる受容体の感受性が高いと、ヘアサイクルを乱す要因となる脱毛因子(TGF-β)が発生しやすくなり脱毛が進むでしょう。
薄毛は、80%ほどが遺伝要因であるといわれています。
ストレスが溜まるとホルモンバランスが乱れたり交感神経が刺激されたりし、AGAの原因となります。
ホルモンとストレスは大きな関係性があり、ホルモンとAGAも大きな関係性があります。
ホルモンは髪の毛と密接に関わっている状態です。
ホルモンバランスが乱れれば、薄毛も進むでしょう。また交感神経が刺激されると、頭皮の血行が悪くなり髪の毛の成長が鈍くなります。
タンパク質、亜鉛などのミネラルが不足すれば髪の毛の成長が鈍くなります。
また糖質も重要です。エネルギーの元である糖分質が不足した場合、人間の身体は髪の毛の生成に必要なタンパク質をエネルギーへと分解します。
食事に気を遣い、栄養バランスを考えた食事を3食取りましょう。
また生活習慣が乱れていると、ストレスの原因になります。
特に髪の毛の成長は睡眠中に行われるため、慢性的な睡眠不足の場合は注意が必要です。
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AGAが発症する可能性についてまとめました。
どのような人が発症するのか、見ていきましょう。
AGAは20代よりも30代のほうが発症確率が10%ほど高いです。
また30代よりも40代、40代よりも50代のほうがAGA発症率は高くなっていきます。
年齢を重ねるほど、AGAになるリスクは高くなると思っておきましょう。
早く治療を始めることで、高い効果が期待できます。
若いからと受診が恥ずかしいと思わず、積極的に受診を検討しましょう。年齢を重ねると、治療がうまくいかなくなっていきます。
AGAは男性ばかりがなるのではなく、女性が発症する可能性も0ではありません。
ただし女性の場合は、男性とは進行パターンが違います。生え際や頭頂部から薄毛になっていく男性とは違い、女性は全体的に細い毛になっていくことが多いです。
もし女性で髪のボリュームに悩んでおり、ヘアスタイルや美容師を変えても改善しないのであれば、病院を受診することも視野にいれましょう。
実際のAGA治療で使われる方法をまとめました。
AGA治療は継続が大事です。どのような治療があるかを知っておくことで、治療を継続する心構えができるでしょう。
薬を服用する内服薬治療は抜け毛を抑えるための治療で、AGAの一般的な治療方法です。
主に使われる薬の種類は、フィナステリド、プロペシア、デュタステリド、ザガーロ。
AGAの原因となる5αリダクターゼの働きを抑える効果を持っており、これによりジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制します。
ヘアサイクルが正常になることで抜け毛が抑えられ、AGAの進行を止められることが期待できます。薬の詳細は、以下の記事にまとめました。
頭皮に塗布するタイプの外用薬治療では、毛の成長を促すために使われることが多いです。
一般的にAGAクリニックで使われる薬は、ミノキシジルと呼ばれるもの。
頭皮の血行を促進する効果があり、髪の毛に必要な栄養を全体に行き渡らせることが期待できます。
髪の毛の生成に重要な役割をもつ毛母細胞を活性化させる働きもあり、発毛が促進されていくでしょう。
注入治療とは頭皮に直接薬剤を注入する治療方法のこと。
投薬する薬は個人によって変わるため、効果も人それぞれです。
注射針で直接頭皮に注入する方法、頭皮に薬剤を噴射する方法、電気の力で頭皮に薬剤をしみこませるなどの方法があります。
先述した投薬治療で使う薬剤を注入治療に使うクリニックや、成長因子が混ぜられたオリジナルの薬を注入するクリニックもあります。
髪の毛が薄くなってきたところに自分の毛を植毛することで、肌色の部分を目立たせなくする治療方法です。
AGAの影響をあまり受けないとされる、側頭部や後頭部から移植します。
組織ごと移植するため、うまく定着すれば移植後はAGAの影響を受けにくくなるというメリットがありますよ。
自毛植毛の定着率は8割とされており、成功率は高いといえます。
AGA治療の費用は病院によってまちまちです。
初診費用のみで考えると、初診料、AGA検査費用で5,000円~10,000円が相場となります。
AGA検査では、医師による問診、触診、血液検査が行われるケースがほとんどです。
初診が終われば本格的な治療に入り、月々3,000円~10,000円ほどかかります。
なお自毛植毛は20~30万円が相場です。
病院によって違うため、月々の料金は確認しましょう。費用について、以下の記事に詳しくまとめました。
AGA治療を開始してから薄毛改善を実感する場合、早い人で2~3ヶ月ほどです。
一般的には半年から1年程度かかると言われており、最低でも1年はAGA治療を継続する必要があります。
数回の治療で実感するケースはまずないため、月1回の通院はマストといえるでしょう。
AGAかどうか不安に思ったときに使える、セルフチェック診断を紹介します。
自分の今の髪の毛の状態を鏡やカメラで確認したり、日常生活で確認したりしましょう。
健康な人が1日で抜ける髪の量は50~150本と言われています。
とはいえ髪の毛は知らないうちに抜けていることがほとんどなので、数えることは難しいです。
お風呂でシャンプーをしたとき、寝て起きたときの髪の毛の抜け毛の量を見てみましょう。
いつもよりも多く抜けていたり、排水口に大量の自分の髪の毛が詰まっていたりするのであれば、AGAの可能性があるかもしれません。
頭皮がベタベタしている場合、頭皮環境が乱れて雑菌が繁殖しヘアサイクルが乱れている可能性が考えられます。
皮脂が過剰に分泌されあぶらっぽい頭皮の状態だと、雑菌が繁殖するため、ヘアサイクルに影響を及ぼしている可能性が高いです。
頭皮の血行不良、食生活、生活習慣、過度な洗髪など、心当たりがあるものがないか確認しましょう。
AGAは髪の成長期が短くなるため、だんだんと髪の毛にコシがなくなったり細くなったりします。
髪の毛のボリュームがなくなったり細くなったりすることは、AGAの初期症状です。
以前よりもヘアセットが上手くいかない人、シャンプーが合わなくなった人は、AGAの可能性が高まります。
生え際や頭頂部の様子を確認し、先ほど紹介した進行パターンとかぶっていないかを確認しましょう。
生え際と頭頂部の髪が薄毛になっているのであれば、AGAを発症している可能性が高いです。
薄毛が進行パターンと当てはまる場合は、早期に治療を開始しましょう。
AGAとは男性型脱毛症のことで、生え際や頭頂部を中心に薄毛になっていく症状に悩まされる進行性の疾患です。
AGAの発症に関する要因として、環境要因、身体要因のほか、遺伝要因も強く関係しています。
ストレスを感じる環境にいたり、ストレスを感じやすい身体だったり、テストステロンの分泌が多かったりなど、あらゆる要因が関係しています。
男性がAGAを発症することは決して珍しいことではありません。20代でも発症する人はいるため、気になり始めたら躊躇せず病院を受診することが大切です。
まずは信頼できる医師のカウンセリングを受けてみましょう。
メンズクリニックディラン(Dylan)では、AGAの検査・治療を行っております。
お客様の問い合わせも多く、満足度が高いクリニックです。まずは検査を受診してみてくださいね。
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福岡大学医学部卒業。東京慈恵会医科大学附属病院で研修、東京慈恵会医科大学附属病院救急部所属。おうえケアとわクリニック院長。「男性の立場から医療と健康を考える」という視点でメンズクリニックを開業。